長崎県の県北地域の医療の現状 県南との格差どうする?
松浦市・平戸市・佐々町の医療の現状
長崎県内の地域格差の問題
同じ長崎県でも、県南と県北では大きな格差があります。
まず、こちらの記事をお読みください。
松浦市・平戸市・佐々町の中核病院はどこ?
公立の松浦市民病院も含め、いくつかの病院が診療所になりました。
病院は数えるほどしかありません。
※診療所・・・病床が19床以下。
松浦市、江迎町、鹿町町、小佐々町、田平町
いわゆる北松地域(昔、北松浦郡に属していた町)には公立病院は1件のみです。
北松中央病院(江迎町)199床
※入院や手術に対応できる(二次救急対応)
松浦市や北松地区の江迎町、鹿町町、小佐々町、田平町辺りでは、
二次救急の最後の砦となる病院です。
松浦市民にもお馴染みの病院です。
平戸地区
平戸地区も公立病院は1件のみです。
平戸市民病院(平戸市)110床
※入院や手術に対応できる(二次救急対応)
病床数及び医師数:(単位:人)
病 床 数 |
診 療 科 |
内 科 (循環器科、 血液科、 神経科) |
外 科 消化 器科 |
小 児 科 |
整 形 外 科 |
眼 科 |
計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
一般病床 :58 療養病床 :52 |
常勤 医師 |
4 | 3 | 1 | 1 | – | 9 |
非常勤 医師 |
3 | - | – | 1 | 1 | 5 |
佐々町
病院はなし(診療所のみ)
急性心筋梗塞への対応
患者数が多く、死亡率の高い「急性心筋梗塞」に対応できるのは、
佐世保を除く県北地域では、循環器内科医師2名が所属する「北松中央病院」のみです。
脳卒中への対応
北松地域には、脳卒中に対応できる病院はありません。
産婦人科の医院
平戸地区には産婦人科が1件もありません。
松浦市
- 中山レディースクリニック
佐々町
- 平井産婦人科
平戸市
- なし
産婦人科医の不在は、若い世代を呼び戻すには致命的です。
若者はケガや病気はしませんが、子供を産み子育てをします。
安心して子育てが出来なければ当然移住をためらいます。
特に平戸地区は佐世保市も伊万里市も遠いため深刻です。
平戸市の周産期死亡率は、全国や長崎県の平均値の2倍です。
(妊娠22週から生後満7日未満の赤ちゃんの死亡率の事)
出典:
長崎県地域医療再生計画(佐世保・県北圏域)
(救急医療機能の整備を軸とした地域医療連携体制の構築)
県北の状況は?
やはり県北の状況は厳しい
佐世保を除く県北地区について状況をまとめましたが、
状況はやはり結構悪いです。
県北地区はお年寄りのための療養病院ばかりです。
同じ県北でも格差あり
一番深刻なのは平戸市ではないでしょうか?
松浦市は、市中心部から佐世保総合病院の救命救急センターまで
30分程度で搬送できます。
平戸市の中心部だと1時間程度掛かります。
交通の便も考慮すれば、同じ県北地域でも格差があります。
一番の問題は何か?
色々な情報を見る限り、以下の点が問題です。
- 周産期死亡率が高い
- 脳卒中の死亡率が高い
- 心疾患の死亡率が高い
これがどういう事かというと、
- 未来のある赤ちゃんが助けられない。
- 妊婦も出産
- 働き盛りの若い世代の突然死を救えない。
ということだと思われます。
赤ちゃんが死んだり、
妊婦のママが死んだり、
働き盛りのパパが死んだり、
こんなに悲しい事はありません。
関係者は不幸になり、
地域にとっても大きな損失になります。
地元の若者がおびえながら子育てする土地に、
外から人が来るわけがありません。
すでに住んでいる人が、ニコニコ安心して暮らせるかどうか?
それこそが重要だと思われます。
どうするべきか?
佐世保と密接な医療体制を作る
過疎化と高齢化が進む地域に、あらたな病院を作ったり、
医師をたくさん呼んだりするのは無理かもしれません。
病院に関わらず、全国の公共施設はそれぞれの町で建設・維持するよりも、
隣接する地域で1つの施設を共有する事で経費を削減しています。
県北地域は、もうすでに佐世保抜きでは成り立ちません。
佐世保の体制が充実しつつある
佐世保市立総合病院に救命救急センターが設置されました。
救命救急センターの新棟も落成しました。
常駐の救命医も増員されました。
とにかく佐世保まで運ぶことが出来れば、どうにかなるのです。
道路の整備が重要
運ぶには、道路整備が必要です。
少しでも早い「西九州自動車道」の全線開通がポイントです。
みんなで早期建設に向けて盛り上げていきましょう。
佐世保の中核病院との連携が不可欠
佐世保には、総合、共済、労災、中央と4つの中核病院があります。
佐世保市立総合病院に救命救急センターができた事で、
受入れる病院がある程度明確になり、
「受入れ拒否」や「たらいまわし」は減ると思われます。
しかし、佐世保市立総合病院に搬送が集中すれば、
機能はパンクしてしまうでしょう。
あらかじめ連携できる体制を作り、
ワンストップでスムーズな搬送、診療ができれば、
死亡率も下がるのではないでしょうか。
私は素人なのでわかりませんが、
それぞれの地域の医師会や消防が、
佐世保市の拠点病院と普段からシミュレーションを行い、
連携体制を構築してくれる事をねがいます。
自分で出来る事は何か?
- 健康診断にきちんと行く。
- かかりつけの医者を持つ。
(勤め先の産業医、地元の医院など)
などです。
自分の既往歴や健康状態を把握している医者がいれば、
救急の受入れを断られる事も減るようです。
こんな本を読んで見るのも一つです。
救急で死ぬ人、命拾いする人
なぜ、救急車はたらい回しされるのか?
「上原 淳」医師の著書です。
上原 淳氏は、北九州の産業医大を卒業し、
産業医大、門司労災病院、九州厚生年金病院、福岡市立こども病院、
埼玉医大総合医療センター高度救命救急センターと勤務されました。
その後、2010年に埼玉県川越市で「川越救急クリニック」を開業されました。
埼玉県は10万人当たりの医師数が140人程度で、都道府県では最低です。
その埼玉県で夜間救急専門のクリニックを開業された方です。
NHKの「ドキュメント72時間」でも舞台になりました。
世の中には、こんなに使命感に燃える医師がいらっしゃるのですね。
カッコイイです。
まとめ
かかりつけの産婦人科すらもてない平戸市の状況は、
個人の努力ではどうしようもないと思います。
やはり行政の力が必要なんじゃないでしょうか。
その他は、地域住民や行政が一体になって取り組めば、
市民レベルが上がり、どうにかできるような気もします。
西九州自動車道の早期開通求む!
西九州自動車道については、「松浦-佐々間」を早急に完成させるべきです。
平戸市民の方は「もっと怒っていいんじゃないか?」と思います。
「長崎市民と同じように市県民税を払っているのに!」
「地域の過疎化を食い止めているのに!」
「この仕打ちはひどい!」
って言ってもいいような気がします。
ジャパネットの高田社長が平戸を代表して
テレビで言ってもいいくらいです。
一票の格差と医療の格差
同じ長崎県民で同じ納税者なんだから、
3倍の格差は是正して欲しい。
1票の格差は2倍で違憲状態なのだから、
医療の格差が3倍なのは「こりゃいけん」でしょう。
長崎県北にはこんな楽しみがある!
こんなお医者様ならぜひ長崎県北へ!
- アメリカ海軍が好きだ!
- 6つの手術室と600床のベッドを持つ
強襲揚陸艦「ボノムリシャール」に乗ってみたい! - 海上自衛隊の「イージス艦群」を間近で見たい!
- 陸上自衛隊の精鋭部隊「水陸機動団」が気になってしょうがない。
- 夜のバーでアメリカ人と肩を組んで飲んでみたい。
- ハンバーガーなら佐世保バーガーでしょ!
- うまい刺身で晩酌したい!
- 休みは一人で釣りに浸りたい!
- オランダの街並みにあこがれるわ!
ぜひ長崎県北で働いて見てください。
きっとステキな毎日が待っていますよ。
では。
医師に信頼され30年。医局では見つからない求人情報が常時1万件以上
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