伊万里市民図書館 教えたくないくらいオススメです。
伊万里市が市民と一緒に作ったすばらしい図書館!
今回は、「伊万里市民図書館」です。
おすすめです。
おすすめ過ぎて、あまり教えたくないくらいです。
伊万里図書館の場所
場所は、伊万里玉屋のちょっと先です。
地図
伊万里駅方向から行った場合は、セブンイレブンのある交差点を左に曲がります。
看板が出ているので分かると思います。
セブンイレブンを左前に見ながら、左折します。
図書館が見えてきます。
建物の手前の通路を入っていけば駐車場があります。
手前にも広い駐車場があるので、イベントでもない限り、駐車できます。
駐車場側の入り口(大人用)から建物に入ります。
建物内部(エントランス)
入り口付近
本を入れるカート、ベビーカー、車椅子などが用意されています。
公衆電話も設置されています。
入ってすぐに、軽食喫茶があります。
福祉喫茶「あおぞら」(くつろぎコーナー)
低価格でカレーやうどんが食べられます。
おばさんがお二人くらいと、障害をお持ちの方が働いていらっしゃいます。
食堂がしまっているときは、休憩所になっています。
営業時間
11:00~15:00
メニュー
うどん:330円
カレーライス:380円
カレーうどん:400円
きつねうどん:350円
うどんセット:480円
カレーセット:500円
ピラフ:430円
ランチミニ:380円
いなり1個:60円
おにぎり2個:150円
コーヒー:200円
紅茶:200円
ウーロン茶:100円
ジュース:180円
牛丼:480円
他にもメニューがあるそうです。
庭園(中庭)
建物に入った正面には、ガラス張りの外に素敵な庭園が見えます。
庭園
ここから右に曲がれば図書館、左に曲がれば市民の文化活動の為の部屋や展示ブース、ホール、トイレなどがあります。
展示ブースでは、学生の絵や習字、写真展などの展示が行われています。
入り口付近のテーブル席
通路にはテーブルがおいてあり、年配のおじ様方が将棋に興じておられます。
メインは図書館ですが、建物全体としては複合施設です。
図書館内部(子供向け区画)
【幼児用コーナー】
親子でくつろげるようなスペースがあります。
ぬいぐるみもおいてあります。
入り口もカウンターも別に用意されています。
受付のお姉さんもいらっしゃいます。
動線を考えた設計
子供用の区画は入り口が別にあり、駐車場より手前にあります。
「徒歩や自転車で来る児童」と、「車で来る大人」は、入り口も人の流れも分かれています。
すごく考えられた設計です。
のぼりがまのお部屋
このほかにも、”のぼりがまのお部屋”という”読み聞かせ”のための個室があります。
【児童用 書架スペース】
児童が手に取りやすいように、棚など全体が低く設計してあります。
驚いたのは、「紙芝居」がたくさんおいてあることです。
大人が借りて、それぞれの地域で子供たちに見せるのでしょうね。
思いつきで本を手に取り、近くのいすにパッと座れます。
椅子や机がたくさん配置されています。
子供専用トイレ
こども専用のトイレコーナーがあります。
お母さんも安心です。
図書館内部(学生向け区画)
【ヤングコーナー】
主に中学生、高校生が使うスペースです。
進学、就職、青春の悩みなどにあわせた本が並んでいます。
学習スペース
奥のほうには、学習スペースがあり机がたくさん並んでいます。
一番奥には、グループ学習用の個室もあります。
そのほか、テーブル席もいくつかあり、全部で50~60人は座れると思います。
図書館内部(大人用書架)
【大人用 書架スペース】
明るい自然光
屋根が高く、自然光が入るので、とても気持ちがいいです。
2階と3階
実は、2階と3階にも本があります。
古い本はこちらに保管されており、1階に無い本は、こちらから職員の方が持ってきてくれます。
声をかければ、自分自身で2階、3階の図書を閲覧する事も出来ます。
すべての書架に読書スペース
ひとつひとつの書架に、椅子とライトが備え付けてあります。
本を探しながら、ちょっと目を通したいときは、ここに座って確認できます。
座敷スペース
座敷タイプの学習スペースです。
和室の中に、掘りごたつのような学習机が4つあります。
中央には、旅館のようなテーブル席もあります。
なんとも素敵です。
週刊誌コーナー
週刊誌などを集めたコーナーがあり各種の雑誌が閲覧できます。
新聞コーナー
各社の新聞を過去分まで閲覧できるコーナーがあります。
斜めになった大きな閲覧用デスク10台以上あります。
大人用のテーブル席
休憩スペース
書架の一角に、テレビを設置したスペースがあります。
メインカウンター横です。
ここでも、年配の男性たちが、将棋に興じています。
図書館内部(大人用学習スペース)
大人用書架の奥には、学習スペースがあります。
ここは高校生以上しか入れません。
大人だけの落ち着いたスペースです。
チェックカウンター
入り口にカウンターがあり、職員の方が、出入りのチェックや、視聴覚資料の使用申請を行います。
ここに職員がいる事が、大変重要です。
利用者には無意識にプレッシャーがかかるので騒いだり悪さができません。
そのおかげで、郷土資料などの貴重な資料も自由に手に取ることが出来ます。
【メイン学習スペース】
大人用のメインの学習スペース
4人掛けのブースがたくさんあります。
全部で30人くらいは座れます。
郷土資料室
さらに奥にある学習室には、 郷土の資料があります。
郷土資料の扱い方について
郷土資料は貴重だといって厳重に保管するところもあります。
鍵をかけて管理をし、職員に許可をもらってわざわざあけてもらわないと閲覧できない所があります。
しかし、誰も見なければ何の意味もありません。
税金のムダです。
市民の税金で購入した本なのに、市民が閲覧しづらいのはおかしな話です。
そういう図書館では「申請すれば閲覧できますよ」となっていますが、そもそもどんな本があるかわからないのでわざわざ申請する人はいません。
興味のなさそうな人が、気軽に見れること。
興味のなかった人に興味を持ってもらうこと。
ここに意味があるのです。
大事なのは、本や来訪者を”管理”して、上から目線で物を言う事ではありません。
慣れなくて恥ずかしそうに来る人。
遠慮してなかなか閲覧出来ない人。
勝手のわからない子供、年寄り。
本の世界の扉をノックする人はだれでも最初は恥ずかしいものです。
郷土の本を読みたいと思っても、恐れ多くて声がかけられないのです。
職員がわざわざ付いて来たり、
わざわざ電気やクーラーをつけたり、
そんなことになれば、閲覧したくても申し訳なくて萎縮してしまいます。
もっと開放して、みじかな物にするべきです。
本を大切にすることを学ばせるのも図書館の役割です。
図書館は人が育つ場所ですから。
伊万里市民図書館は、そういうことがよく理解された設計、運用だと思います。
近隣の自治体も学ぶべきところが多い図書館です。
視聴覚コーナー
視聴覚コーナーもあります。
CDコーナー
たくさんあるCDから選んだ物を、ヘッドホンで聞くことが出来ます。
DVD、ビデオコーナー
DVDやビデオを鑑賞するコーナーもあり、いろんな映画や資料映像がそろっています。
それを楽しみに来館する方も多いようです。
魅力的な図書館です
紹介は以上です。
見ていただいて分かるとおり、すごく充実した図書館です。
伊万里市民の文化的活動をサポートするたいへん魅力的な施設です。
簡単に魅力をまとめます。
伊万里図書館の魅力
◆大人とこどものスペースがさりげなく分けてある。
◆子供や学生のしゃべり声が、大人スペースには聞こえない。
◆大人の学習スペースが落ちついている。
◆読書する椅子や机がすごくたくさんある。
◆蔵書が多い。
◆持ち込み学習を否定していない。
◆駐車場が広い。
◆本を読まない人も受け入れている(お年寄りの将棋)。
◆リラックス音楽が流れていておしゃれ。
◆開放感がある。
◆書架が低くて見やすい。
◆食堂や掃除など、障害者の雇用を生み出している。
自分の世界に浸ることが出来る
自分と向き合って、読書をしたり、目標に向かって勉強をしたり、リラックスしたり、とにかく周りを気にせず、自分の世界に入り込める環境です。
どんな世代の
どんな人でも
受け入れるのに
それぞれが快適に過ごせるよう、
配慮された設計を随所に感じます。
街の規模を考えると、ありえないくらい充実した施設です。
全国からの視察が絶えない。
図書館には、行政職員らしき方が頻繁に視察にいらっしゃいます。
何人もゾロゾロと来るんで「何事か?」と見てしまいます。
「ここは凄いからよーく見ていってね!」と心の中でつぶやきます。
たまに、革靴やヒールの音を「カツンカツン」と響かせながら歩く方がいますが、あれはいただけませんね。
そういう所に気がつく行政職員さんなら、きっと良い図書館を作るでしょう。
税金で視察したからには活かして欲しい。
伊万里図書館の良さを知りたいなら、団体で来るよりも、一人で来て静かに過ごしてみるのが一番です。
そして、視察する人自身が、普段から地元の図書館を利用してみてから視察しないと駄目ですね。
比較対象が無いので理解できないと思います。
理解というより、肌で感じる事が大切ですね。
やはり図書館は、「普段使わない行政職員」が「上から目線」で作るより、実際に使っている市民の声を丁寧に聞いてから作るべきです。
そんな図書館あるかって?
それが伊万里市民図書館です。
武雄市図書館との比較
最近は武雄市図書館が話題になっていますが、私は・・・・です。
あそこは、あくまでも”本も借りられるツタヤとスターバックス”です。
人生の機微に触れた人が
あそこに足をむけるでしょうか・・・。
悩みを抱えたり、
方向性を探したり、
孤独を受け止めるために、
自分と向き合うために、
静かに考え、読書する。
それが図書館だと私は思います。
そして、それができるのは圧倒的に伊万里市民図書館です。
「いまどきのビジネスホテル」と「高級旅館」くらいの差があります。
都会の大きな図書館も使いましたが、伊万里図書館は群を抜いて素晴らしいです。
ふるさとの詩
ふるさとについての詩が伊万里図書館のカウンターの上あたりに飾ってあります。(伊万里焼かな?)
やるなー伊万里。
感じるもの
この図書館に行くと、伊万里の文化度の高さを感じます。
伊万里の歴史に誇りを持っている、伊万里人のプライドを感じます。
伊万里に生まれた子供が未来を切り開く為に勉強し、
異郷で傷ついた若者がふるさとに戻って自分と向き合い、
ふるさとから力をもらってもう一度立ち上がる。
色々な役割を終えつつある大人が、改めて自分と向き合い
これからの人生を考える。
伊万里人のそんな人生のドラマを、
この伊万里図書館は、
静かに見守ってくれています。
こんな図書館が作れる伊万里なら、
これからも素敵な人が育っていくのでしょう。
さすがは伊万里!
ホームページ・開館日
伊万里市民図書館ホームページ
https://www.library.city.imari.saga.jp/
【開館時間】
★火~日曜日(祝日開館日を含む)
10:00~18:00
★金曜日
10:00~20:00
【休館日】
★毎週月曜日
☆国民の祝日
(但し、昭和の日・こどもの日・文化の日・建国記念の日・春分の日は開館)
★年末年始(12月28日~1月3日)
☆館内整理日(毎月第4木曜日)
★特別整理日(年10日以内、その都度お知らせします)
最後に
伊万里図書館は市民主導の図書館として全国的知名度を誇る図書館です。
本でも紹介されています。
金髪のジャーナリスト、津田大介氏も推薦の本です!
「つながる図書館 コミュニティの核をめざす試み」
(刊行日: 2014/01/07)
第1章 変わるあなたの町の図書館
第2章 新しい図書館の作り方
第3章 「無料貸本屋」批判から課題解決型図書館へ
第4章 岐路に立つ公立図書館
第5章 「武雄市図書館」と「伊万里市民図書館」が選んだ道
第6章 つながる公共図書館
楽天
つながる図書館 コミュニティの核をめざす試み ちくま新書 / 猪谷千香 【新書】
アマゾン
つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)
アマゾンのたくさんのレビューを読むと、図書館に対する色んな考え方が見られて面白いです。
開館20周年
そして、2015年は伊万里図書館開館20周年の節目の年です。
こんな質の高い図書館はなかなかないと思います。
ぜひ、休日に一日過ごしてみてください。
贅沢な時間と空間が待っていますよ。
では。
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